Preventive dentistry 予防歯科

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予防歯科とは

歯医者さんへ行くのはどんな時ですか? 虫歯が出来たり歯ぐきが腫れたり、何かしら症状が出てから行く方がほとんどだと思います。

医者はその度に、歯を削ったりを詰め物したりと治療を施していきます。 しかし、痛みがあるから、歯医者に来るという構図はどうなのでしょう?
その場では完治してもそれでは結果的に、歯を削る作業をしているに過ぎません。

欧米では、歯医者とは治療する所ではなく歯をクリーニングする所という認識がありますが、 日本人にはまだその意識は浸透してはいません。

バイオフィルム

歯には歯垢が溜まるとバイオフィルムという細菌が発生しやすくなります。
この細菌は薬が効かず、歯ブラシなどの物理的な方法でしか落とす事が出来ません。
しかし、普段の歯磨きでは、磨きにくい箇所や磨けていない箇所は必ずどこかにあります。

バイオフィルムとは

PMTC

予防歯科では、定期的に検診を行い、虫歯になる前に早期発見をし、確実に対処をして行きます。
又、普段のお手入れでは行き届かないバイオフィルムの除去については PMTCと呼ばれる特殊なクリーニングで落としていきます。

PMTCとは

バイオフィルム

バイオフィルムをご存知ですか?

バイオフィルムは細菌の塊であるプラークの強固な集合体です。

バイオフィルムは歯面や歯と歯肉の間の歯周ポケットに 付着するだけではなく、下の表面(口臭の原因となる舌苔)や入れ歯にも付着します。

バイオフィルムが歯周病や虫歯を悪化させます

バイオフィルムが歯面にあると、 歯のエナメル質を溶かし虫歯を発生させます。歯周ポケット内では歯肉の炎症を拡大させて、 歯を支えている骨まで破壊され歯を失う事になります。

平坦な面のバイオフィルムは歯ブラシで丁寧に磨けば除去は出来ますが、 歯周ポケット内は歯ブラシが届かず、バイオフィルムはますます成長してしまいます。

バイオフィルムは薬が効きません

バイオフィルムが厄介なのが、バリアーで覆われているので
抗菌剤や消毒剤等の薬が浸透しにくく効かない事です。

従って、今の所歯ブラシ等で物理的に除去する以外に方法がないのですが、 歯ブラシの届きにくい部分に対しては、歯科医院での専門家による対応がどうしても必要です。

バイオフィルムが出来やすい人とは?

下記のような内容が上げられます。
こうした方たちには、定期的にPMTCと呼ばれる歯面清掃をお勧めします。
PMTCについては下記で詳しくご説明致します。

  • ブラッシングが上手く出来ない人
  • 歯並びが悪く角度的に歯ブラシが上手く当たらない人
  • 歯周ポケットが深い人
  • 矯正治療中の人
  • 修復物の多い人

PMTC

PMTCとは

P ・・・ Professional 専門家により
M ・・・ Mechanical 専用の器具を使用して
T ・・・ Tooth 歯を
C ・・・ Cleaning 清掃する

専門家(歯科医師・歯科衛生士)の判断の下に行われます。

定期健診で患者さんの健康サポートとして行うのはもちろんですが、
治療中でバイオフィルムが上手く取れない場合等も、口の中の状態によってPMTCは行われます。

PMTCの一般的ステップ

Step.1 お口の状態チェック

歯の表面の染め出しを行い、ブラッシングの状態、 バイオフィルムの付着をチェックします。
きれいにブラッシングしているつもりでもバイオフィルムは付いています。

Step.2 歯石除去

歯の表面や歯肉の中(歯根の表面)等に付着している歯石を除去します。

Step.3 洗浄

人によっては歯周ポケット内のバイオフィルムを、
歯科医院専用の器具を使って除去(破壊)する必要があります。

Step.4 清掃

歯科医院専用の器具を使って歯面、
歯間部、歯と歯肉の間、咬合面等をきれいにします。

Step.5 フッ化物等の塗布

フッ化物等の塗布をし、歯質を強化します。

PMTCの効果は?

むし歯の予防

バイオフィルムを除去し、再付着を防ぐので虫歯予防効果があります。 その為、歯のエナメル質表面へのカルシウム補給を促し、再石灰化を促進します。

歯周病・歯肉炎の改善

歯周ポケット1~3㎜のバイオフィルムを除去するので歯肉の状態を改善し予防にもつながります。 3㎜以上深いポケットの場合は、他の方法でバイオフィルムを除去します。

歯質の強化

洗浄後にフッ化物入りのペーストやカルシウム補給剤を塗布する事により、 歯の再石灰化を更に促進します。

自然な美しさの回復

歯に付いたヤニや色素も取り除けるので、患者さん本来の光沢のある歯面になります。
※歯を薬品を使用して白くするホワイトニングとは異なります。

PMTCを行う事でプラークが付きにくくなります

しばらくの間は汚れが付きにくくなり健康な状態を維持出来ます。

しかし、一定の期間を過ぎるとまた付着しやすくなるので 定期的にPMTCを受けられる事が最良です。
※期間については、個人差があります。

入れ歯にもPMTCは効果的です

入れ歯にもバイオフィルムは付いてしまいます。 清掃が不十分だと歯茎の状態が悪化し、入れ歯も合わなくなってきます。

入れ歯だから関係ないと思わずに、入れ歯も定期的に歯科医院で清掃してもらって下さい。

PMTC Q&A

  • Q PMTCはどのような人に必要ですか?
    A 虫歯や歯周病の予防・再発防止に欠かす事が出来ないのがバイオフィルムの除去です。 幼児から高齢の方まで、今まで歯科治療を必要としなかった方から、 多くの治療を受けられた方まで、全ての人に対してそれぞれの状況に合ったPMTCが必要です。
  • Q バイオフィルムは、自分では除去出来ませんか?
    A バイオフィルムの除去は、ご自身で行う ブラッシングやフロッシング(糸ようじ)等のセルフケアが基本となります。 しかし、セルフケアでバイオフィルムを100%取り除く事は大変難しく、 磨きにくい部分にはどうしても取り残しが発生してしまいます。 PMTCは「プロの目」でこの磨き残しをチェックし 「プロの手」で残ったバイオフィルムを除去します。 つまり、皆さんのセルフケアを手助けし、健康維持増進をサポートするのです。 又、最近は通信販売等で色々なクリーニング・グッズを手に入れる事が出来ますが、 天然歯とブリッジやクラウン等の人工物では、使用する器材が異なります。 器具や薬剤の適材適所の判断には、プロの知識が必要です。 誤った使用はかえって健康を害してしまう事があります。
  • Q PMTCは痛いですか?
    A 痛みや不快感はありません。 PMTCを受けた後は、口の中がさっぱりして爽快感も感じますので、 美容院に通うのと同じ様な感覚で定期的に受診される方も増えています。
  • Q PMTCを行う間隔はどの位がいいのですか?
    A 一般的には1~3ヶ月に1回と言われますが、患者さんの状態や症状によっても異なるので、 一概には決められません。例えば、治療で色んな補綴物が入る程、 口の中の環境も複雑になるのでセルフケアも難しくなります。 又、高齢者で薬を多用している方は唾液の出も悪くなる事が多いので バイオフィルムが付きやすくなります。人により個人差がありますので、 PMTCを受診される間隔は、主治医や担当の歯科医師に直接お問い合わせ下さい。